監督:ジャック・リベット
出演:エマニュエル・ベアール、ジェーン・バーキン、ミシェル・ピコリ
長かった。なにしろ239分ですからねえ。こんなに長い映画を観たのは、『風と共に去りぬ』以来……というか、ほかに4時間クラスの映画って、なにかあったっけ?
カンヌ映画祭に出品された当時、ベアールのヌード場面が話題になりましたね。たしかに後半2時間はほとんど裸です。このときベアールは何歳だったんだろう。いやその、乳の形がすげぇ良かっただな。正面から見ると、いわゆるロンパリ型の開き乳なんだけど、斜め前方から見た形状が抜群ですね。ツンと尖った感じといい、弾力の良さそうな張り具合といい、ええもん見さしてもらいましたわ。
ストーリーは、あってないようなもの。モデルと画家の「対決」場面ばかりですから。マリアンヌ(ベアール)がどうして突然モデルを引き受ける気になったのか、とか、老画家(ピコリ)がなぜ「美しき諍い女」なら描く気になるのか、とか、なぜかつてそれを断念したのか、とかを描写する場面もなし。
後半は、場面のほとんどがアトリエでの画家とモデルを描くものだったので、舞台を見ているような気分になりますね。
ちょうど半分が過ぎたぐらいで、ちょっと飽きてしまいましたが、一応、最後まで見ることができました。気まぐれで勝ち気なマリアンヌが終盤で文字通り「諍い女」になっていくところは、緊張感がありましたね。
この映画、デッサンを描く場面でスケッチブックがクローズアップされるところが多いのだけど、それをひきさくペンの音が神経質なまでに響きます。画家のしぐさもえらく神経質だし、マリアンヌもしじゅうタバコを吸っている。これらの神経質さが最初はいらだたしかったのだけど、逆に、画家が集中していく展開になると、こちらも知らず知らずのうちに集中させられてしまうので、まあ、一体感を引き出す効果になっているのでしょうかね。
モデルを演じるベアール、気まぐれで、突飛で、ちょっとタカビーで、スタイルがけっこう良くて、挑発的なんですが、これって20代のころの秋吉久美子だよな、なんて思ってしまいました。