さて、ご存じの通りフランスのTVA(付加価値税)は18.6%が標準税率であり、全ての財・サービスの取引にこの税率が適用されます。ただ、自動車、宝石などの奢侈品にはこれより高い税率が適用され、食料品などの日用品には5%程度の低い税率が適用されています。日本の消費税率3%に比べると異常に高く感じられますが、国別比較で見れば日本がひときわ低いだけで、欧州では概ね10%代であったと思います。ただ、この税率の整合がEC経済統合の際の大きな問題にもなっています。
実感ですが、たいてい内税なので18.6%を「支払っている」という感覚はほとんどありませんね。それにレストランでもサービス料込みの料金が表示されているので、請求額以上のチップを払ういわれはありません。まあ、サービスがよければ10F程度置いていくくらいです。従って、表に80Fって表示があればデザートなどを追加しない限り80Fの支払でいいわけで、「この上税金やチップまで!」と憤慨することはありません。
でも、現実には18.6%の税金と15%程度のチップをしっかり徴収されているのには代わりありませんが。
なお、フランスを旅行される方は価格に「F」ではなく「HT」とか「FTTC」と表示されているのを見かけませんでしたか? HTとあればHors de Taxe、すなわち税別の料金です。ただ、こういうケースは比較的少なく、たいていは税込み、すなわちFTTCです。
電気や電話の使用料金の請求書では外税形式でTVAが表示されています。この時ばかりは正味の使用料の他にかかる税金の高さに溜息がでてしまいます。いずれにせよ、日本の消費税反対運動を欧米の消費者団体がまともに取りあわなかったというのも、彼我の税率の差を思うと納得がいきます。
あと、EC型間接税は全て請求書(フランス語ではFacture)で明記されるので、取引が全てガラス張りになるという側面もあります。その結果、企業間取引でも小売りでも、あやしげな値引きやリベートなどがかなり困難となりますので、例えばパリの量販店に行っても、日本でおなじみの原価割れした値引きにおめにかかるのは極めて稀といえましょう。この点、日本のサラリーマンの反対は完全な自己矛盾であったわけですが、小売り側がEC方式の反対したのには合理的根拠があったわけです。
ところで、私がアメリカに行ったとき、レストランのチップは伝票に書いてある税金の倍を置いていけばいい、と聞いた覚えがあります。その時、レストランの税率は8%程度であったと記憶しております。場所はNYですが。あと、ブロードウェイあたりの量販店はみな税別価格表示で、「これは安い!」と思って買ったディスクマンが税込みだと日本で買ったほうが安かった、何てこともありました。