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この日記について

この日記は、他のリソースから転載したものが大半です。
2005年3月以降の日記は、mixiに掲載した日記を転載した内容が中心です。一部は実験的に作成したblogに書いた内容を移植させています。
2001年の内容の一部は、勤務先のweb日記に記載したものです。
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2014年09月16日

長期滞在ビザの申請書類、申請の流れを説明します。

2 ビザ申請に必要な書類と手続きの流れ
2.1 必要書類一式
 大使館に載っていますので、かならず最新の情報を確認してください。ただしこれはそう大きくは変更されないと思います。申請する人が日本国籍を持っており、同伴家族がいる場合を想定すると次のようになります。

1)長期ビザ申請書(サイトからダウンロード)
2)証明写真
3)有効なパスポート
4)申請料金(日本円の現金で可)
5)convention d'accueil
6)同行家族の戸籍謄本
7)移民局(OFII)提出用フォーム(サイトからダウンロード)

 最重要書類が5)のconvention d'accueilです。要するに、これを用意できれば研究者ビザで滞在ができ、できなければビジタービザの申請と取得が必要である、という分かれ道になります。
 同行家族は戸籍謄本の法定翻訳が必要です。領事部の案内ではフランス語または英語となっておりますが、滞在許可申請を考えると、絶対にフランス語にしておいたほうが無難です。フランス語法定翻訳を扱っている業者はフランス大使館のサイトにリストアップされておりますので、そのなかから適当なところを探せばいいでしょう。

2.2 convention d'accueil取得までの流れ
 この書類は申請する研究者本人が記入し、フランス側の受け入れ先大学・研究機関が認証したうえで、その大学等が立地する県の移民局が最終的に認証します。したがって、ビザ申請までは次のような流れとなります。

1)研究者本人が書式を大使館サイトからダウンロードして必要事項を記入して署名
2)メール添付ファイルなり郵送で受け入れ予定先の大学等に書類を送付
3)受け入れ予定先の大学等で認証後に、そこから地元県庁に書類送付
4)県庁で認証後に書類が受け入れ予定先の大学等に返送
5)受け入れ予定先の大学等から研究者本人に書類が返送

 受け入れ予定先の大学等にconvention d'accueilをどうやって認証してもらうか。これは完全にケースバイケースです。私はUniversite Paris 13で親しい友人が教員をやっていて、メールで彼に依頼したらすぐにdirecteurに話を通してくれたので、とんとん拍子に事が進みました。しかしこれは親しいコネクションがあればこそです。そういうツテがないときは本務校の国際交流関係の部署に依頼する必要があるでしょう。そうした大学間の正式ルートで依頼を出す場合などは、事前にいろいろな書類が要求されるかもしれません。
 なお、書類の送付ですが、記入事項の確認などをするために、私は友人とのあいだでpdfファイルを使って何度かやりとりしました。最終段階で署名入りの書類をスキャンしてpdfファイルを作り、それを友人と事務の人に添付ファイルで送り、問題なければ郵送するつもりでいたところ、事務の人から「サインがあるからこれでいい」と言われました。そして県庁の手続きも問題なく終わり、大学や県庁の正式な捺印や署名の入った書類が後日送られてきました。
 これだと私の署名は肉筆ではなく印刷です。じつは領事部に書類を提出したとき、その点を指摘されたのですが、やりとりの経緯を伝えたところ、大学と県庁の捺印と署名が「実物」だからOKということになました。しかし窓口での判断で却下される可能性はゼロではないので、心配な人は郵送で書類を送付したほうが無難だと思われます。

2.3 convention d'accueilの記入事項
1)Cadre A Informations relatives a l'organisme d'accueil agree
 受け入れ先機関の情報ですので、これは先方に確認して記入することになります。Statut juridiqueなどは聞かなければわからないでしょうから。私のケース(パリ13大学情報コミュニケーション学研究科)では次のようになります。

Denomination : Universite Paris 13
Statut juridique : EPCSCP
Responsable du projet de recherche ou d'enseignement universitaire : 【先方のdirecteur名など】
Adresse ... : LABSIC, Universite Paris 13, ...
Reprsentant ... : 【先方のdirecteur名】
Qualite (...) : Professeur, Directeur de Laboratoire "LABSIC"

2)Cadre B Information relatives au chercheur ou l'enseignant chercheur
 名前とか国籍、住所などは自明なので省略します。なお、Qualiteで「Chercheur」または「Enseignant-chercheur」のいずれかをチェックしますが、先方で教壇に立つ予定の人は後者になりますね。私は前者ですので、以下も「Chercheur」を想定した内容であると了解しておいてください。
 何を書いたらいいのかと迷うのは「Pour le projet de recherche ou d'enseignement universitaire suivant : Nature de la recherche ou de l'enseignement universitaire」だと思われます。私は友人に相談し、「enquete en terrain avec ces acteurs economiques et participaiton a des seminaires de recherche」と書きました。利害関係者への聞き取り調査や研究セミナーへの参加など、といった内容です。
 また、「Sous le statut de : 」でフランスまたは外国から給与や資金を得るのかどうかが問われますが、日本の政府からの公的資金を得ているとか、フランスの受け入れ先から報酬が出るのであれば、その内容を書くことになるのでしょう。私は自己資金での滞在ですので(学内の個人研究費なども自己資金内です)、「Autre (presize) :」にチェックを入れ「conges sabbatiques」と記入しました。

2.4 ビザ取得までの所要時間
 Convention d'accueilの作成では、県庁での手続きに最低でも1週間かかると考えておいたほがいいでしょう。私は1月10日に書類をParis 13の事務に送付し、先方の事務が1月13日か14日に書類を県庁に提出してくれました。そして県庁から大学事務に書類が返送されたのが1月21日です。これが1月28日に日本に届きました。メール添付ファイルで送っても送付から18日間かかっています。これ以上短くなることはないはずです。
 ビザ申請にあたっては大使館領事部のwebでアポを取る必要があります。書類がそろう日程的な目処が立った時点でアポを取っておくといいでしょう。アポの取りやすさは時期によって異なるはずですが、私の場合はwebにアクセスした時点の1週間後に空きがありました。
 なお、アポは1パスポートにつき1件です。おなじ日のおなじ時間帯で1件しか取れないので、夫婦で滞在を予定しているときはアポを合計2件取らねばなりません。しかし手続きは夫婦同時にできますので、断言はできませんが、おなじ日であれば連続した時間でなくても大丈夫だと思われます。
 大使館領事部での手続きは必要書類さえちゃんと揃っていればスムーズに進みます。書類に不備がなければその場で受理され、写真撮影がおこなわれます。また、配偶者は生体情報(指紋)が取得されます。このときに撮影された写真がビザのシールに印刷されます。また、取得された指紋はフランス国内の警察で滞在許可申請をするときの本人確認に使用されます。
 ビザは一週間後に発行されます。あらかじめ切手を貼った封筒とパスポートを預けておくと、大使館より書留で郵送されてきます。

【申請までのフロー】
大使館から必要書類をダウンロード
↓ (記載事項について先方と調整)
受け入れ先の大学にConvention d'accueilを送付
↓ (送付期間を含め1ヶ月前後)
Convenstion d'accueilが返送

大使館領事部でビザ申請予約
↓ (1〜2週間ぐらい)
大使館領事部でビザ申請
↓ (通常は1週間)
ビザが貼り付けられたパスポートを受領

 受け入れ先の目処が立っていれば、手続きにはおおむね2ヶ月かかると見込んでおく必要があるでしょう。なお、同行家族がいるときはビザ申請を同時におこなった方がスムーズですので、戸籍謄本の法定翻訳にかかる時間をあらかじめ調べておき、同時に申請できるようにしておきましょう。


 サバティカルなどを利用したフランスでの長期滞在を計画している研究者のために、ビザや滞在許可申請、銀行口座の開設、保険の扱いなどをまとめておきます。なお、ビザや滞在許可の制度はかなり頻繁に変更され、書類のフォーマットもたびたび変わります。ここに記載した内容はすべて2013年2月〜2014年7月時点で確認できた事柄がベースになっています。実際の申請にあたっては、フランス大使館のサイトなどで最新の情報をかならず確認し、それに従ってください。

1 ビザと滞在許可証の種類
1.1 研究者が申請するビザの種類

【結論】
フランスの大学などの受け入れ状があれば「フランスで働くためのビザ」のサブカテゴリである「研究者ビザ・研究者の同行家族ビザ」を申請する。それがない人は「ビジタービザ」を申請する。

 2014年7月末現在でフランス大使館に掲載されているビザは次のとおりです。

1)学生ビザ
2)フランスで働くためのビザ
3)フランス人の配偶者長期滞在ビザ
4)ビジタービザ
5)モナコのビザ
6)ワーキングホリデー・ビザ

 このなかで在外研究で滞在を計画する研究者が対象になるのは、2)の「フランスで働くビザ」または4)のビジタービザで、多くの場合は2)になります。ちょっとまぎらわしいのは、ビジタービザの説明で「大学のサバティカル休暇、……、など」と例示されていることです。ああ、自分はサバティカルだからビジタービザなんだな、と思ってしまうケースは少なくないようです。
 ところが「フランスで働くビザ」のサブカテゴリーに「研究者ビザ・研究者の同行家族ビザ」とあって、その説明に「フランスの公認機関(大学、国立研究所など)に研究の目的で3ヶ月を超える滞在者に適用」とあります。おそらく多くのケースでは学内申請段階で受け入れ先を決めておく必要があるでしょうから、実際にはこちらに該当することが多いはずです。

 じつは研究者ビザは比較的あたらしいカテゴリです。私が90年代に滞在していたころには存在しませんでした。当時は研究者もすべてビジタービザを取得する必要があったのです。しかし、ビジタービザは申請がけっこう面倒で、そのうえ滞在許可申請は相当ややこしい手続きの連続でした。おそらくそれが研究交流の障害となっていて、あらたに研究者ビザのカテゴリが設けられたのではないか、と推測しています。

1.2 滞在許可の種類
 フランスの長期滞在者への管理は二重構造になっています。つまり、外務省によるビザと内務省/警察による滞在許可という二段階の手続きが必要です。「ビザは滞在許可申請の必要書類」という位置づけですので、ビザ取得イコール合法的な長期滞在が許可された、というわけではありません。

【重要注意事項】
 どの国でも大使館は外務省の所轄です。フランス国内の滞在許可は警察の所轄です。そしてどの国でも官僚機構は縦割りなので、大使館領事部では滞在許可証の申請に関しては一切関知していません。大使館に滞在許可申請の質問をしても無駄です。けんもほろろの対応を受けるだけです。領事部は滞在許可申請に必要な書類を発行するだけであって、それがどう扱われるか、どういう手続きが必要かは、すべてフランスの警察に問い合わせなければなりません。

 滞在許可の手続きもけっこう頻繁にかわりますので、ここに書いてある事柄も2014年7月末時点であることを了解してください。最新の情報は滞在地の県警prefecture de policeのサイトでtitre de sejourの欄を確認する必要があります。以下はパリ市での手続きを前提とします。
 現在(2014年7月末時点)、研究者ビザ(有効期間は入国から1年以内)では「滞在許可証」という証明書は発行されません。パスポートに「このビザが滞在許可証として通用する」というシールを貼ってくれるだけです。手続きが簡素化されたわけですね。よって、滞在許可申請とは、このシール(vinette)を貼ってもらうプロセスということになります。
 ビジタービザは未確認ですが、私がこの身分で滞在した1996〜1999年でもすでにシール化されていました。おそらく現在でもパスポートにvinetteが貼られるだけでしょう。



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