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この日記について

この日記は、他のリソースから転載したものが大半です。
2005年3月以降の日記は、mixiに掲載した日記を転載した内容が中心です。一部は実験的に作成したblogに書いた内容を移植させています。
2001年の内容の一部は、勤務先のweb日記に記載したものです。
1996年〜2000年の内容の多くは、旧サイトに掲載したphoto日記を転載したものです。
1992年6月〜99年9月の日記の大部分は、パソコン通信NIFTY-Serveの「外国語フォーラム・フランス語会議室」に書き散らしていたものを再編集したものです。ただし、タイトルは若干変更したものがありますし、オリジナルの文面から個人名を削除するなど、webサイトへの収録にあたって最低限の編集を加えてあります。当時の電子会議室では、備忘録的に書いた事柄もあれば、質問に対する回答もあります。「問いかけ」のような語りになっている部分は、その時点での電子会議室利用者向けの「会話」であるとお考えください。

2014年09月16日

 サバティカルなどを利用したフランスでの長期滞在を計画している研究者のために、ビザや滞在許可申請、銀行口座の開設、保険の扱いなどをまとめておきます。なお、ビザや滞在許可の制度はかなり頻繁に変更され、書類のフォーマットもたびたび変わります。ここに記載した内容はすべて2013年2月〜2014年7月時点で確認できた事柄がベースになっています。実際の申請にあたっては、フランス大使館のサイトなどで最新の情報をかならず確認し、それに従ってください。

1 ビザと滞在許可証の種類
1.1 研究者が申請するビザの種類

【結論】
フランスの大学などの受け入れ状があれば「フランスで働くためのビザ」のサブカテゴリである「研究者ビザ・研究者の同行家族ビザ」を申請する。それがない人は「ビジタービザ」を申請する。

 2014年7月末現在でフランス大使館に掲載されているビザは次のとおりです。

1)学生ビザ
2)フランスで働くためのビザ
3)フランス人の配偶者長期滞在ビザ
4)ビジタービザ
5)モナコのビザ
6)ワーキングホリデー・ビザ

 このなかで在外研究で滞在を計画する研究者が対象になるのは、2)の「フランスで働くビザ」または4)のビジタービザで、多くの場合は2)になります。ちょっとまぎらわしいのは、ビジタービザの説明で「大学のサバティカル休暇、……、など」と例示されていることです。ああ、自分はサバティカルだからビジタービザなんだな、と思ってしまうケースは少なくないようです。
 ところが「フランスで働くビザ」のサブカテゴリーに「研究者ビザ・研究者の同行家族ビザ」とあって、その説明に「フランスの公認機関(大学、国立研究所など)に研究の目的で3ヶ月を超える滞在者に適用」とあります。おそらく多くのケースでは学内申請段階で受け入れ先を決めておく必要があるでしょうから、実際にはこちらに該当することが多いはずです。

 じつは研究者ビザは比較的あたらしいカテゴリです。私が90年代に滞在していたころには存在しませんでした。当時は研究者もすべてビジタービザを取得する必要があったのです。しかし、ビジタービザは申請がけっこう面倒で、そのうえ滞在許可申請は相当ややこしい手続きの連続でした。おそらくそれが研究交流の障害となっていて、あらたに研究者ビザのカテゴリが設けられたのではないか、と推測しています。

1.2 滞在許可の種類
 フランスの長期滞在者への管理は二重構造になっています。つまり、外務省によるビザと内務省/警察による滞在許可という二段階の手続きが必要です。「ビザは滞在許可申請の必要書類」という位置づけですので、ビザ取得イコール合法的な長期滞在が許可された、というわけではありません。

【重要注意事項】
 どの国でも大使館は外務省の所轄です。フランス国内の滞在許可は警察の所轄です。そしてどの国でも官僚機構は縦割りなので、大使館領事部では滞在許可証の申請に関しては一切関知していません。大使館に滞在許可申請の質問をしても無駄です。けんもほろろの対応を受けるだけです。領事部は滞在許可申請に必要な書類を発行するだけであって、それがどう扱われるか、どういう手続きが必要かは、すべてフランスの警察に問い合わせなければなりません。

 滞在許可の手続きもけっこう頻繁にかわりますので、ここに書いてある事柄も2014年7月末時点であることを了解してください。最新の情報は滞在地の県警prefecture de policeのサイトでtitre de sejourの欄を確認する必要があります。以下はパリ市での手続きを前提とします。
 現在(2014年7月末時点)、研究者ビザ(有効期間は入国から1年以内)では「滞在許可証」という証明書は発行されません。パスポートに「このビザが滞在許可証として通用する」というシールを貼ってくれるだけです。手続きが簡素化されたわけですね。よって、滞在許可申請とは、このシール(vinette)を貼ってもらうプロセスということになります。
 ビジタービザは未確認ですが、私がこの身分で滞在した1996〜1999年でもすでにシール化されていました。おそらく現在でもパスポートにvinetteが貼られるだけでしょう。


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