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■ 2008年08月 アーカイブ

2008年08月17日

 43年前のホラー映画だが、ムスメが観たいというので久々に観る。
 
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD13546/
 
 ムスメ的にいちばん印象的だったのは3編目だったが、これがクリストファー・リーを主人公とするものだった。全体を通じた「主役」がピーター・カシングなので、ターキン総督とドゥークー伯爵の揃い踏み(笑)の作品に反応したわけである。


2008年08月24日

 今回初めて観たのだけど、これは凄い映画だな。アンソニー・ホプキンスの演技が壮絶だが、ジョディ・フォスターもそれに負けていない。というか、この映画、フォスターでなければとてもホプキンスには対抗できないんじゃなかろうか。昨夜この映画を観たせいで、ついさっき見終えた「タクシー・ドライバー」が、なんとなく物足りなく感じてしまった。
 
 サイコホラーといえば、ヒッチコックの「サイコ」が代表的なんだろうけど、じつはオレ、この映画はそれほど怖いとも凄いとも思わなかった。「羊たちの沈黙」の方がはるかにスリリングだったな。なによりレクター博士のあの目が怖い。いやー、アンソニー・ホプキンスって、こんな名優だったのね。
 
 さて、これから「ダウンタウン物語」を見るとしよう。


 なぜかいままで見そびれていた「タクシー・ドライバー」、名画と称賛されるだけあって、単調なストーリーなのに飽きることなく観ることができたが、んー、結末が不満だな。ああいうあいまいなハッピーエンド(?)で終わっていいのかい。まあ、あれをハッピーと受け取れるかどうか、という問題もあるんだが、破綻して終わるべき展開が、なんだか不完全燃焼である。やっぱアメリカ映画だから、なのか。フランス映画、それもブニュエルあたりが監督をしたら、最後は電気椅子での夢オチだと思うが。
 
 なぜ「羊たちの沈黙」「タクシー・ドライバー」そして「ダウンタウン物語」を続けて観たのかというと、もちろんジョディ・フォスターがお目当てだから。「ダウンタウン物語」はフォスターが注目されるきっかけになった映画なわけで、最初から最後まで、徹底的にギャングごっこを通したコメディ・ミュージカルとしては十分に楽しめる。
 
 しかし、フォスター、この映画ではそれほど目立ってはいなかったんじゃないの。ローティーンでの映画出演としては、「レオン」でのナタリー・ポートマンの方がぴかぴかに光っていたと思う。なので、この映画、ストーリーはおもしろかったが、フォスター目当てで観てしまったので、かなり物足りなさを感じる。


2008年08月25日

 ジャン=ポール・ベルモント、田舎者で間抜けな二枚目半を演じさせたら、本当に見事なハマリ役だな。この映画の主演、ベルモント以外には考えられない(笑)。いちばん笑えたのは、結婚詐欺にあったとわかったあとに、「妻」の下着を引き裂いて暖炉で燃やすところ。この情けなさ、ああ、いい味出ている(笑)。
 
 随所にいろいろな映画の・映画への「引用」があるように思えるのだが、んー、オレの浅薄な知識では残念ながらすぐにこれと出てこず。Wikiで調べて多少は理解したが。大木に腰を下ろすシーン、ルノワールの「小間使いの日記」からの引用だそうだが、この映画、昨年観たばかりなのに、そんなシーンがあったんだな。
 
 ドヌーブが無造作にオッパイをべろんと出して着替えるシーンも、どこかコミカルな感じだった。ドヌーブって、美人であることは疑問の余地はないけれど、どこか安っぽい感じがするんだよな。
 
 素朴な語学的疑問。結婚当初、しばらくvouvoyerが続いたのはなぜなんだ。「再会」後はいきなりtutoyerというのも、感覚の変化なわけ?


 うーん、やられた……という感じ。
 前半は、ずいぶんと間抜けなストーリーだと思った。シーンそれぞれはジャンヌ・モローとモーリス・ロネゆえ緊迫感のある演技だと感じたが、でも、ずいぶんとお粗末なストーリーだと思ってしまった。だって、完全犯罪を計画した元軍人が、うっかりとロープを忘れたりするかね。しかも、忘れたことに気づいたとき、あわてて車にキーを付けっぱなしにしたり、ピストルを置いたままにするだろうか。まあ、素直に考えれば、あまりにも抜けた展開だよな。
 
 さらに、車を拝借した小僧とその恋人の場当たり的な殺人というのも、あまりにもご都合主義かつ偶然の連続。こりゃ計画的な完全犯罪が、偶然の連続による結果的完全犯罪に破れる展開なのかと思ってしまった。その間、ジャンヌ・モローは街を徘徊するだけの、これまたあまりにも間抜けなところばかり。てっきり「お間抜け映画」なのかと思った。
 
 しかし、いつのまにかストーリーそのものにハマってしまったな。いやー、スリリングだった。最後の結末もよし。なんともビミョーなカタルシスを覚えた映画であった。多くの人が評しているように、マイルス・デイビスの奏でるBGMがじつに合っている。
 
 それにしてもこの映画、ケータイとデジカメだけに馴染んだいまどきの若者には、設定そのものが理解できないのでは、と思ってしまう。だって、エレベーターに閉じこめられたら、「ケータイで連絡すればすむじゃん」という反応になりそうだもんな。最後の写真の場面だって、銀塩写真ならではの展開だしね。


2008年08月28日

 今日の二本立ては、「ハンニバル」と「WASABI」。ハンニバルだけを観て寝るつもりだったのだが、んー、リドリー・スコット監督にやられた(笑)。「羊たちの沈黙」に比べ、物理的・生理的な気色悪さが4倍角ぐらいになっており、見終えたあと、「口直し」が必要だと思ったのである。
 
 口直しには正反対の映画を選びたい。日本かフランスのバカ映画……となれば、リュック・ベッソンの作品あたりが手頃なわけで、ほどよく「WASABI」があった、という次第である。
 
 さて「ハンニバル」、レクター博士の一人舞台であるな。クラリスは手玉に取られただけで、もはや対峙すること能わず。最初、なぜジョディ・フォスターが引き続き演じないのか不思議だったのだが、こういうシナリオなら、フォスターじゃないほうがいい。……というか、フォスターが出ないから、こういうシナリオになったのか。しかしまあ、あれだけ気色悪いシーンのオンパレードなのに、目をそらさずに見てしまった。そのあたり、スコットの力量なのかね。
 
 そして「WASABI」だが、ベッソンのつくるバカ映画なんだから、あれぐらいバカバカしい展開でちょうどいいように思う。「TAXi」に比べれば、やや抑えていたというか。広末がちょいうっとーしかったけどね。


2008年08月29日

 今日の一本目は、シャーリー・マクレーン&アン・バンクロフトの「愛と喝采の日々」に。ずいぶん前にLDを買っておいたのだが、そのままコヤシ状態になっていたのだった。
 
 まあ、オレはバレエのことは無知なので、単純にドラマとして楽しんだ。シャーリー・マクレーンのオバサンぶり、とりわけキャリアを選んだエマ(バンクロフト)を嫉妬してののしる場面がすばらしい。そのあとのバンクロフトとの取っ組み合い、途中でおかしくなって笑い合う場面などの転換がいちばんの見所といった感じ。
 
 バンクロフトも好演なんだが、ただ、オレの頭のなかではバンクロフト=ミセス・ロビンソンのイメージが強いので、ストイックな役柄に違和感を覚えてしまう。


2008年08月30日

 久々に観てしまいましたよ。
 今回観たのは2002年のDVD最終版。ブレードランナーはバージョンを明記しておかないといけないのがナニだな(笑)。オレ自身がこれが三つ目のバージョンになる。最初が日本の劇場公開に近いLD版、次はタイレル博士の目がえぐられるシーンの入ったVHS完全版、そして今回のDVD最終版ということに。でも、ファイナル・カットもあるんだったな。いずれ観ねば。
 
 2002年版だと、デッカードが一角獣の夢をみる場面が加わった一方、ラストで二人が逃亡し、「レイチェルは死ななかった」という陳腐なハッピーエンドで終わる場面がカットされている。まあ、そこはカットされた方が、終わり方としては締まっていると思う。


 昨夜に続く、シャーリー・マクレーン主演の「日々」映画である。アカデミー賞の作品賞まで取った作品だが、んー、ストーリーにどういう意図やらメッセージやらがあるのか、オレにはさっぱりわからんかった。ただ、キャラは立ちまくっていたので、飽きずに観ることはできたが。こういう映画から何かを読む取るという感性が、もはやオレにはないのかもしれん。
 
 マクレーンの我の強い熟年オバサンぶり、そしてジャック・ニコルソンのちょい悪オヤジぶり、その二人の掛け合いは見応えがあった。大人の「猥談」は、じつに軽妙な感じだった。デブラ・ウィンガーも好演していたと思う。強烈なキャラの二人に対して、ほぼ互角の存在感を示していたのだから。まあ、ストーリー展開上、一応、中心にいたおかげかもしれないが。



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