Le Petit Echo de la Mode / echo de la mode
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主婦向けの週刊誌 "Le Petit Echo de la Mode"(名称は創刊当時のもの)は次の2点でおおいに注目できる雑誌です。
1)雑誌という媒体の形態変化、とくに新聞との差違化
2)他誌に吸収されたときの形態
定期刊行物が登場してからしばらくのあいだ、新聞(journal, gazette)と雑誌(magazine, revue)との形のうえでの違いはほとんどありませんでした。どちらも大きな紙を四折り・八折りにしたものであり、今日我々がイメージする冊子としての雑誌の体裁が定着するのは20世紀に入ってからです。100年以上にわたる長い歴史を持つ Le Petit Echo de la Mode を見ると、雑誌の形態変化がじつによくわかります。
最盛期には100万部以上も発行された petit echo ですが、1968年のいわゆる五月革命のころから保守的な女性誌の低迷が顕著になってきました。petit echo も売れ行き不振に陥り、1977年には競合誌の "Femme d'Aujourd'hui" に買収されてしまいました。日本であれば版元変更という形になるのが一般的ですが、フランスの女性誌ではかなり異なる結果となりました。買収後、"echo de la mode" という雑誌自体は存続しますが、タイトルには "Femme d'Aujourd'hui" が併記されます。事の詳細は「五月革命後からFemmedoに吸収されるまで:1970〜1977」の欄で確認してください。
【参考資料】
江下雅之「第三共和政以降を中心とするフランスの女性誌出版状況」『情報コミュニケーション研究』(2022)
井岡瑞日「フランス第三共和政期前半における女子中等教育と「家庭教育」:週刊誌『ル・プチ・エコー・ド・ラ・モード』の分析を中心に」京都大学学術情報リポジトリ
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