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この日記について

この日記は、他のリソースから転載したものが大半です。
2005年3月以降の日記は、mixiに掲載した日記を転載した内容が中心です。一部は実験的に作成したblogに書いた内容を移植させています。
2001年の内容の一部は、勤務先のweb日記に記載したものです。
1996年〜2000年の内容の多くは、旧サイトに掲載したphoto日記を転載したものです。
1992年6月〜99年9月の日記の大部分は、パソコン通信NIFTY-Serveの「外国語フォーラム・フランス語会議室」に書き散らしていたものを再編集したものです。ただし、タイトルは若干変更したものがありますし、オリジナルの文面から個人名を削除するなど、webサイトへの収録にあたって最低限の編集を加えてあります。当時の電子会議室では、備忘録的に書いた事柄もあれば、質問に対する回答もあります。「問いかけ」のような語りになっている部分は、その時点での電子会議室利用者向けの「会話」であるとお考えください。

1997年04月07日

彗星

 彗星はものすごく茫洋とした天体なので、光度よりもみずらいのが普通ですね。恒星は点光源ですが、彗星は面であり、発表される光度は面全体を点光源にしたときの明るさですから。これは星雲や星団でもおなじで、たとえばプレアデスという散開星団(日本名は「すばる」)の光度は1等級近いですが、実際は4等星ぐらいの星が数個寄せ集まっている状態なので、最低でも3等星ぐらい見える空でないと存在がわかりません。
 彗星は一見すると星雲や星団に見かけのすがたが似ており、コメットハンターたちはそれを区別しないといけませんでした。で、むかしメシエというフランス人コメットハンターが「まぎらわしい天体」110個分ののカタログを作りました。いまでもそのリストにあがった天体を「メシエ78」などといいます(一般には「M78」のように略す)。メシエ1は「かに星雲」と呼ばれる天体で、これは超新星爆発の残骸なのですが、母天体が急速に明るくなったときの様子を、藤原定家が日記に残しています。定家はたしかハレー彗星についても記録を残していたんじゃないのかな。
 彗星観測にいちばん使われる光学機はおそらく双眼鏡でしょう。一般アマチュア向けだとかつて海軍が使っていた50mm×7倍という規格がいちばん手頃です。コメットハンターは捕鯨船が使っていた120mm×20倍ぐらいのを使っていたようですけどね。
 ヘール=ボップ彗星はコアがでかい彗星なので拡散部分が少なく、発表光度がそのままの明るさに近いですね。これでハレー彗星なみの近日点距離だったら、金星なみの明るさにもなっておったんじゃないのかな。
 せっかく日本に来て手元に双眼鏡があるのに、こんどは連日の雨で空がみえまへん(;_;)。


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