この月のエントリー
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

過去の日記一覧

月別アーカイブス



この日記について

この日記は、他のリソースから転載したものが大半です。
2005年3月以降の日記は、mixiに掲載した日記を転載した内容が中心です。一部は実験的に作成したblogに書いた内容を移植させています。
2001年の内容の一部は、勤務先のweb日記に記載したものです。
1996年〜2000年の内容の多くは、旧サイトに掲載したphoto日記を転載したものです。
1992年6月〜99年9月の日記の大部分は、パソコン通信NIFTY-Serveの「外国語フォーラム・フランス語会議室」に書き散らしていたものを再編集したものです。ただし、タイトルは若干変更したものがありますし、オリジナルの文面から個人名を削除するなど、webサイトへの収録にあたって最低限の編集を加えてあります。当時の電子会議室では、備忘録的に書いた事柄もあれば、質問に対する回答もあります。「問いかけ」のような語りになっている部分は、その時点での電子会議室利用者向けの「会話」であるとお考えください。

1999年01月10日

 昨日まで京都を徘徊しておりました(笑)。
 ワタクシは同世代よりも収入の多い会社におりましたので(そのかわり就労時間も同世代の5割増以上でしたが)、chouchouたちの初年度年収・30歳年収を聞いたときに、「そんな程度か」と思いました。バブル期には35歳・年収一千万が高収入サラリーマンの一つの目安になっていましたから、ますますフランス人エリートの相対的低収入を感じました。
 経企庁や国税庁、総務庁などの統計から推計すると、日本の給与所得者世帯の平均年収は720万円、世帯主に限定すると590万円(平均年齢44歳)だそうです。フラン換算すると世帯所得が360K Frs、月平均で 30K Frsですから、家賃10K Frs のアパートを借りられる(笑)。つまり、日本の給与所得者の平均的な世帯所得があれば、パリのいちばん家賃の高い地域(6区ですね)で 4 pieces の高級アパートに暮らせるってことですね。この平均所得、対象を東京に限定すれば800万円ぐらいですから、フランス人のエリートの所得は東京都在住の平均的給与所得者と大差ない、ということになると思います。
 
 フランスの理数系大学院を支えているのは、女性と外国人留学生じゃないでしょうか。パリ第一大学の UFR mathematique, informatique に登録したとき、半分は女性であり、おなじく半分は留学生でした。教官など7割が女性でした。
 フランスの大学理数系だとベトナム人やエジプト人の「天才」たちが集まってくる。それがフランスの自然科学の底辺を支えているように思います。ちょうどインド人や中国人がアメリカの理数系有名大学院のトップを占めているのとおなじ現象ですね。こういうのは、フランス語圏・英語圏のような言語圏のある強みでもあるのでしょう。
 ひるがえって日本を見るに、東大だろうが京大だろうが、理学部に女子学生があまりおらん。ごく少数の女性は化学や生物系ばかり。もちろん数学教室や物理学教室にだっているけれど、数は圧倒的に少ない。だいたい学問の能力に性差などないはずですから、女性科学者が少ないということは、それだけ資質を持つ者の参加が損なわれているってことです。まあ、逆に言えば、日本の科学界はまだ余力があるともいえるわけですけどね。


Copyright (C) Masayuki ESHITA