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この日記について

この日記は、他のリソースから転載したものが大半です。
2005年3月以降の日記は、mixiに掲載した日記を転載した内容が中心です。一部は実験的に作成したblogに書いた内容を移植させています。
2001年の内容の一部は、勤務先のweb日記に記載したものです。
1996年〜2000年の内容の多くは、旧サイトに掲載したphoto日記を転載したものです。
1992年6月〜99年9月の日記の大部分は、パソコン通信NIFTY-Serveの「外国語フォーラム・フランス語会議室」に書き散らしていたものを再編集したものです。ただし、タイトルは若干変更したものがありますし、オリジナルの文面から個人名を削除するなど、webサイトへの収録にあたって最低限の編集を加えてあります。当時の電子会議室では、備忘録的に書いた事柄もあれば、質問に対する回答もあります。「問いかけ」のような語りになっている部分は、その時点での電子会議室利用者向けの「会話」であるとお考えください。

1999年03月18日

 リセに準備コースがあるのは、グランゼコール制度の一環です。
 Polytechnique や normale などの国立グランゼコールの場合、まずバカロレアで優秀な成績(たぶん、数学と哲学が重視されてるはず)を取った者が学校長の推薦によって、準備コースに進む。これがいくつかのリセに所属してるんだけど、イメージ的には日本の旧制高校に近いかもしれない。
 で、準備コースを2年経てから concours を受ける。これに合格すると、晴れて入学が許される……という流れです。concoursに落ちた者は、救済措置として大学の 2e cycle に編入する権利があったはず。その意味でも、準備コースは大学の教養過程とおなじようなもんですね。
 ただし、事実上の“私立大学”に相当する商業系グランゼコールや、Telecom Paris のような技術系のところは、別の募集基準があるかもしれない。グランゼコールといっても、分野もレベルもきわめて雑多ですから。
 かつてワタクシが学部3年のとき、フランスの高名な数学者 J-P.セールの本(の日本語版)がテキストに指定されたことがありました。で、後書きを見たら、このテキストはエコール・ポリテクニクの第一学年生向けのもの、なんてことが書いてあった。一年生がこんな難しいことやるのかよ〜、と唖然すると同時に、さすがエルミートやポアンカレの母校……と思った。でも後からそれが日本の3年生に相当すると知って、すごくほっとしたものです。
 ENA のユニークなところは、他のグランゼコール内に受験予備教室があるんだ、ということを言いたかったのです。Polytechnique から ENAには推薦枠が二人あったんじゃなかったかな。たしかジスカール・デスタンが“二冠王”だったと思います。ベルナール・タピもだっけか。ポンピドーとシラクは Science Po から ENA ですね。ノルマル出身だと、シャルル・ドゴール、シモーヌ・ヴェイユといったあたり。現在話題の人、クレッソン女史は HECだっけか。
 シラクは ENA時代にミッシェル・ロカールと同窓生で(成績はロカールの方が良かったらしい(笑))、おなじ女子大生に惚れてつばぜり合いを演じたこともあるそうな。そんなわけでこの二人は仲が良く(アンチ・ミッテランという点でも共通していたし)、シラクが大統領選に勝ったとき、ロカールがエールを送っていましたね。


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