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この日記について

この日記は、他のリソースから転載したものが大半です。
2005年3月以降の日記は、mixiに掲載した日記を転載した内容が中心です。一部は実験的に作成したblogに書いた内容を移植させています。
2001年の内容の一部は、勤務先のweb日記に記載したものです。
1996年〜2000年の内容の多くは、旧サイトに掲載したphoto日記を転載したものです。
1992年6月〜99年9月の日記の大部分は、パソコン通信NIFTY-Serveの「外国語フォーラム・フランス語会議室」に書き散らしていたものを再編集したものです。ただし、タイトルは若干変更したものがありますし、オリジナルの文面から個人名を削除するなど、webサイトへの収録にあたって最低限の編集を加えてあります。当時の電子会議室では、備忘録的に書いた事柄もあれば、質問に対する回答もあります。「問いかけ」のような語りになっている部分は、その時点での電子会議室利用者向けの「会話」であるとお考えください。

1996年07月29日

 ダメもとで AGESSA に行く。「Attestation を書けない Attestation」を書いてもらえればいいわけだから。場所は11区、21bis, rue de Bruxelle、St.Lazard のちょっと先。ふと気づいたのだけど、St.Lazard の近くには、どうして都市を名につけた通りが多いんだろう?
 Les Gobelins からメトロ7番でまずは Opera へ。Opera でメトロ11番に乗り換えるのだが、じつは RER Auber 駅を突っ切っていけば、隣の駅までそのまま駅構内を通って行ける……のだけれども、わざわざ歩いても仕方ないので、素直に Opera で乗り換える。
 ここでアナウンスが聞こえる。メトロ3番はオペラからモンパルナスまで現在不通……。ま、逆方向だからいいか。が、逆方向だからよくなかった。モンパルナス方面行きはとりあえずサン・ラザールまではやってくる。だけどモンパルナス方面からはぜんぜん来ない。
 15分経過。2駅先なだけだから外に出よう……と思ったら、ようやく地下鉄が来る。さい先が悪い。なんかうまくいかなそうな予感。
 Place de Clichy で下車。目的地は地図によればここから数分のところ。駅はロータリーの下なので出口が複雑だった。地図で最寄りの階段を見つけるも、どの階段がそれなのかがわからん。営団地下鉄みたいに、出口に記号を付けておかんかい>RATP。
 AGESSA のある建物はすぐに見つかった。開いた門をくぐる。すぐ左手にガラス張りの入り口が。受付が見える。ドアを開けて用件を告げる。
「Securite Sociale について話しを伺いたし」
 応対はとても柔らかだった。じつはここにくるまで、たぶん神経性のものだと思うのだが、ちょっと下痢気味な気分であった。すぐに取り次いでくれるや、便意もすーっとうせた。
 10分ほど待つ。上階からおにーちゃんが一人降りてくる。受付正面にある応接室に行くよう促される。着席。用件を告げる。
「ちょっと複雑な話しなんだけど……」
 過去の経験から、最初から複雑に決まっている。滞在許可申請の書類は、じつにじつに paradoxalな環になっていることが多い。警察はあれこれを用意せよ、という。それを用意しに行くと、滞在許可がないとあかんといわれる……といのは日常茶飯事である。今回の AGESSA も、案の定、そのパターンに陥りそうである。
 ところが意外なことに、「加盟登録はできる」といわれた。日本人会報では「P.L.での滞在が三年必要」とあったのだが、過去4年間すでに滞在していたこと、その期間中、出版による収入があったことを説明すると、あっさりと「pas probleme」であるとか。問題は、「ただし、adresse fiscale を持てれば」ということ。要するに、税務署に開業届けさえできれば、登録はできる。申請書類をさらさらと説明書に書き込んでくれ、滞在許可証という項目もあったのだが、なければないで構わない、だと。開業届に必要な書類もくれた。
 ここで「やったー!」と喜んだら、おれもフランス在住初心者といわれるであろう。だいたい口頭で「できる」といわれても、それは「その時点でその担当者がたまたま『できるんじゃないの?』と思いついただけにすぎない」という意味であることは、過去4年間の滞在で身にしみているのだ。書類を揃えて次にやってきても、「だめ」といわれる可能性は十分にある。そもそも税務署が開業届けを受理してくれる保証もない。
 闘いは始まったばかりである。(続く)


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