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この日記について

この日記は、他のリソースから転載したものが大半です。
2005年3月以降の日記は、mixiに掲載した日記を転載した内容が中心です。一部は実験的に作成したblogに書いた内容を移植させています。
2001年の内容の一部は、勤務先のweb日記に記載したものです。
1996年〜2000年の内容の多くは、旧サイトに掲載したphoto日記を転載したものです。
1992年6月〜99年9月の日記の大部分は、パソコン通信NIFTY-Serveの「外国語フォーラム・フランス語会議室」に書き散らしていたものを再編集したものです。ただし、タイトルは若干変更したものがありますし、オリジナルの文面から個人名を削除するなど、webサイトへの収録にあたって最低限の編集を加えてあります。当時の電子会議室では、備忘録的に書いた事柄もあれば、質問に対する回答もあります。「問いかけ」のような語りになっている部分は、その時点での電子会議室利用者向けの「会話」であるとお考えください。

1993年10月08日

 語彙力が増すにつれて、作文のスピードは急激に加速したようだ。一見当たり前のようであるが、細かく考えてみると興味深い現象もある。
 まず第一に、和仏辞典よりも仏和辞典を利用する割合が圧倒的に増えた。単純に考えれば、語彙力が増えれば辞書そのものの利用頻度が減るはずである。ところが、和仏は確かに少なくなったとはいえ(極端な場合、全く使わない)、仏和を引く回数は相当増えた。結果的に、辞書を引用する頻度にはあまり変化がないように思われる。
 第二に、最初に書き上げた文章と最終的に仕上げた文章が、全くといっていいほど変わるようになった。実はここにポイントにある。
 外国語で文章を書くとき、一番危険なことは知らない単語を用いることであろう。和仏辞典の罠はここにある。どんぴしゃの例文があればともかく、場違いな表現を拾ってしまうリスクは大きい。重要なことは、自分の知っている範囲の語彙で、何とか表現することだと思う。会議室でも再三「1000語知っていれば」ということを指摘したが、まずこの1000語の中で一度文章を組み立てる。この場合、和仏辞典は忘れた単語を思い出す手段であり、仏和は表現のチェックに用いる。いずれも新しい単語を探すものではない。こうしてできた文章は、ネイティブが見なくても稚拙なものだ。大抵の文はjeで始まり、使っている動詞もetreをはじめ、簡単なものばかりということが多い。
 これをブラッシュアップするのが同意語辞書やシソーラスである。最近の仏文ワープロには同意語辞書も付属されているため、ほとんど漢字変換と同じ要領で単語を検索・置換できる。一度書き上げた文章全体を眺め、いまいちと思われる部分を置き換える。この時、始めて見る単語は仏和辞典で調べる。それでも不安が残る時は仏仏で調べるが、経験上稀である。大抵は仏和で妥協する。同意語でおさえてあるから、場違いな表現を拾うリスクは少ない。
 こうして修正を施すと、結構それらしい文章に仕上がっている。無論、ネイティブ・チェックをかければ真っ赤になる。しかし、自分の限界を見極めておくことも重要であろう。あまり懲り過ぎず、そして謙虚に指摘箇所を覚えておく。場数を踏めば、自ずと便利な表現も覚えられる。
 さて、以上は私のノウハウです。「ここは違うんじゃないか」「私はこうしている」というご指摘は大歓迎です。コメントをお待ちします。


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