「平和」を国家戦略と考えるのはなかなか鋭い視点だと思います。ただし、この戦略も第二次大戦以前から存在していたと見るべきでしょう。ミクロのレベルでは戦争で利潤を挙げる経済活動も有りえますが、マクロではやはり「平和」の方に利が多い。
この辺りの話しはワシントン大学ジョージ・モデルスキーの長波理論(覇権安定論の一つです)が参考になるでしょう。百年周期で世界的価値観を敷衍する覇権国家が「平和」をもたらし、やがて平和維持のコストによって衰退するというような理論です。覇権の移行期が「戦争」です。
日本的モデルに注目しているのは、経済系ではドイツ、フランスの経済学者ですね。レギュラシオン学派はアングロサクソン型の自由競争よりも、ドイツや日本型の政府関与を認めた経済運営の方が、結果として社会全体の富を増大させると主張しているのです。貿易面でも、現実には自由貿易ではなく「調和主義」に基いた「実質的」管理貿易が台頭しています。これなども、日本的モデルが結果的に浸透しつつある例と言えましょう。
思想面で言えば、価値相対性とか無常観なんて、ヨーロッパ的科学思想と根本的に異なりますね。尤もこの分野は日本的と言うより東洋的と言うべきかも知れません。現代物理や現代数学がヨーロッパの伝統的科学思想の限界に端を発し、むしろ東洋思想との親和性が強いというのは面白いことですね。
戦後と言えば、私は江戸末期から太平洋戦争敗戦までを一つの展開と見るべきだと思っています。つまり、「幕末はペリーに始まってマッカーサーで終わった」というのが私の歴史観です。自分が歴史小説家だったら、この変革期に「竜馬の夢」なんて命名したいですね。フランスだって大革命一発で絶対王政が崩壊したわけではないですよね?安定期、すなわち完全な共和制に至るのに100年近くかかったはずです。