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この日記について

この日記は、他のリソースから転載したものが大半です。
2005年3月以降の日記は、mixiに掲載した日記を転載した内容が中心です。一部は実験的に作成したblogに書いた内容を移植させています。
2001年の内容の一部は、勤務先のweb日記に記載したものです。
1996年〜2000年の内容の多くは、旧サイトに掲載したphoto日記を転載したものです。
1992年6月〜99年9月の日記の大部分は、パソコン通信NIFTY-Serveの「外国語フォーラム・フランス語会議室」に書き散らしていたものを再編集したものです。ただし、タイトルは若干変更したものがありますし、オリジナルの文面から個人名を削除するなど、webサイトへの収録にあたって最低限の編集を加えてあります。当時の電子会議室では、備忘録的に書いた事柄もあれば、質問に対する回答もあります。「問いかけ」のような語りになっている部分は、その時点での電子会議室利用者向けの「会話」であるとお考えください。

1992年12月30日

 此頃やけに冷えるなぁーっと思っていたら、もう噴水には氷が張っていた。さっきも郵便局に行く途中、車道の端がやけに白いと思ったら、水たまりがすっかり凍っているのに驚かされた。
 完璧に冬である。
 昨日は夕方ふと思い立って凱旋門を登ってきた。パリ5回目、滞在数ヶ月というのに、実はこの時が初めてであった。決して31Fを惜しんでいたわけではないのだが、何となく機会がなかった。
 夜、高いところに登って期待するのは夜景であろう。しかし、パリには夜景と呼ぶべき華麗な光のカーペットとでもいふべきものが欠けている。確かにクリスマスデコレーションのシャンゼリゼは、上から眺めてもナカナカとは思う。しかし、肝心の街に「光」がない。オフィスは既に閉まっているし、アパートの住民はカーテンや雨戸で窓を閉ざしている。何より間接照明主体では、漏れるべき光自体が乏しい。
 そんなわけで、夜景というよりも巨大な池に光の筋が放射状に伸びている、そんな印象を受けてしまった。遠くのエッフェル塔やサクレクールが何やら墓標のやうに思へてしまふのは私の乏しい感性のせいであらう。
 私は基本的に冬の様々な光景が好きである。特にたそがれの美しさは最高で、かつてその色の変化にみとれて何度風邪を引いたかしれない。特に、昨日、今日のやうに金星と三日月が彩りを添えている時が素晴らしい。年によっては水星も加わるのだが、今年は折り合いが悪い。
 夜景はないけれど、パリのたそがれ時はなかなか魅力的だと思う。平坦で古い町並みとたそがれ時の微妙な色の変化が何とも言えぬけだるさを醸し、うっかりするとまた風邪を引いてしまいそうになる。
 てなわけで、今度はたそがれ時に凱旋門に登ってみやうと思うのであった。
 蛇足ではあるが、今まで一番感動した夜景は実に大坂である。確か阪奈峠から眺めたものだと記憶している。それで、2番がニューヨークと東京、3番が函館、パリは番外という感じである。


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